慶応大学がやる気スイッチを発見したと発表
2017年2月2日、慶応義塾大学医学部のグループがやる気スイッチを発見したとのニュースがありました。
ネット上では、
やる気スイッチ見つかったらしい!!
という賞賛の声がかなり目立っており、私自身もすげー!ってなったわけです。
具体的に何がどのようにわかったのか、とても興味が湧きました。
そこで、慶應義塾大学のプレスリリースなどを読んで、やる気スイッチの発見について勉強してみました!
ここでは、やる気スイッチ発見がどのような内容であったのか、
東大理系大学院生の端くれである私が、専門外の人向けにわかりやすく解説してみたいと思います。
やる気スイッチ発見って、具体的には何を発見したのか?
まず、やる気スイッチ発見という見出しでの発表でありましたが、
具体的には何がわかったのかについて説明しようと思います。
この発表でいう「やる気スイッチ」とは、
何かをしよう!と思って、それを行動に移すのを司る脳の領域のことを指しています。
背景としては、認知症や脳の損傷、神経変性疾患などの病気になると、行動意欲が著しく低下する意欲障害がみられます。
この意欲障害が、実際に脳のどの領域の障害によって引き起こされているのかこれまでは全くわかっていなかったのです。
今回、慶應義塾大学のグループは、障害を受けると意欲障害を引き起こす脳の領域の初めて特定することに成功したのです。
どのような実験を行ったのか?
このグループがやる気スイッチ発見に至るまでに行ったの実験は大まかに言うと次のようになります。
臨床データから損傷すると意欲障害になりやすい脳の部位を探す
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その部分が線条体であることがわかる
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線条体を構成する、ある細胞集団(D2-MSN)に注目する
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マウスを用いた実験で、この細胞にだけ効く毒を発現させる
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すると、毒を発現させる前や毒を発現させないマウスと比べて、毒を発現させたマウスでは行動意欲が著しく低下する
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これにより、この細胞集団がやる気を司っていることがわかる
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これがやる気スイッチだ!
大まかにいうとこんな感じです。
やる気に関わっていそうな部位を損傷させることによって、やる気が失われた。
よって、その部位がやる気スイッチである!
という内容の発表でした。
まとめ
このように、今回発見されたやる気スイッチは私たちがイメージするような、
この部分を刺激するとやる気が出る!
というようなやる気スイッチではありませんでした。
しかし、この発見は意欲障害を伴う病気の治療に大きく貢献できることでしょう。
そのような面で、今回の発見はとても科学的価値がある発見であるといえるでしょう。
以上、
やる気スイッチ発見のニュースを東大理系大学院生が解説するとこうなる!
でした。
少しでもやる気スイッチ発見のニュースの理解の足しになることができるなら幸いです。
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